ポルノグラフィティがメジャーデビューしたのが1999年9月8日。
そこから25年を迎えた2024年9月8日。
その記念日に横浜で行われたライブに参加してきた翌朝目覚めて、ぶんまわした腕は痛いままだし、体の疲れはとれてないにもかかわらず満ち満ちた素敵な朝を体験した。
あまりにも自分の中で満ち足りているので、自分のこれまでのポルノグラフィティはどうだったのかを振り返りながら、今回のライブについてはきだしていきたい。
書き始めたらえっらい長くなったので、もう目次だけ読んでくれれば。
アニメと自分とポルノグラフィティ
ポルノのデビュー当時は、好きなアーティストというか「この歌好きだなー!」という印象だった。
当時は小学生だったが漫画やアニメばかり見ていたので、いわゆる芸能に対して興味が薄かった。だから、アーティストのファンになるという概念が自分の中になく、毎週家族と共になんとなく見ている音楽番組で歌われる様々な楽曲のなかにポルノの歌があって「歌上手いなーこれいいなぁ」と思うくらいであった。
アポロは聞く気がなくてもよくテレビで流れてかっこいいなと思っていたし、ヒトリノ夜はアニメ「GTO」のOPでかっこよくて好きだったけどポルノが歌ってると知らなくて後から「あの歌うたってる人と同じなんだー」と思ったし、ミュージック・アワーとサウダージとサボテンはよくわからない間にめちゃくちゃテレビで流れて頭に刷り込まれていた。ちなみにサウダージはサラダ味だと思ってた(耳が悪い)。
なので思い切りファンというわけではないが、声が好きだし歌好きだな!が印象として強い。
1番最初にポルノの歌を何度も何度もすりきれるほど聞いたのはアゲハ蝶だ。10代中頃でアゲハ蝶の歌詞がとんでもなく突き刺さり、気持ち悪いぐらいめちゃくちゃ聞いてた。もはや他の曲聞かずにそれだけ永遠に聴いていた。でもこの時も別にポルノのファンというか、アゲハ蝶という作品にのめり込んでいたという方が正しい。
その後もポルノの歌はなんとなくテレビなどから聞いていたものの、自分がよりサブカルオタク街道を突き進んでいたため芸能関係の情報をほぼほぼ摂取しなくなっており、あまり出された歌のことをよく知らない期間が長くなる。SNSも特に普及していないので仲のいい友達たちとの話と自分が見るテレビからのみ情報が入ってくる頃だ。
その中でも唯一しっかり聞いたのは、お察しの通りアニメ「鋼の錬金術師」のOP、メリッサだ。この時は聞いてすぐ「この声はポルノだ!かっこいい!ってか歌詞!!!!!」となった。今にして思えば、声に名前が書いてあると言われる昭仁さんとストーリーテラーな作詞している晴一さんの手のひらの上でずっとコロコロ転がされているようなものだ。
ポルノグラフィティとの再会はコナン
そしてそこから自分はさらに芸能関係の興味をほぼなくし、漫画を読み倒しオンラインゲームにハマり、なんやかんや社会人になって働き始めて忙しくしていたら、最新の音楽をチェックする習慣がないまま10年ほど過ごした。その間に出たポルノの歌は、もちろんなんとなく聞こえてきたりしたものがあったし、相変わらずいい声だなー、いい歌だなーとふんわり聴くこともあったが、とにかく「新しい音楽を積極的に聴く」ことがほとんどなかった。ただ毎日持ち歩くiPodの中には相変わらずアゲハ蝶とメリッサは入っていて、通勤中とかに聴いていたのでポルノの歌が好き、という気持ちは変わらずずっとあった。
じゃあ一体全体どこでポルノの魅力をに気付けたのかといえば、映画「名探偵コナン 業火の向日葵」主題歌、オー!リバルだ。自分は毎年欠かさずコナンの映画を見る派の人間だし、当時はテレビでもわりとコナンを毎週ちゃんと見ていたので、「次の映画には怪盗キッドが出てきて主題歌がポルノ」という情報は映画を見る前から知っていた。
ポルノが主題歌なのか〜嬉しいな〜と思いながら映画を見に行ったら、映画も面白かったし主題歌もかっこよかった。また相変わらず声がいいし歌詞もいい。いや何回そこのパターンで落ちるのかという話だけど、声と歌詞がね、好きなんだよ、やっぱり。そして今思い出したが、ポルノの歌を「買った」のは「オー!リバル」が最初だ。それ以前は学生だったこともあってTSUTAYAで借りて手持ちのデバイスに入れていたので、社会人になってお金に余裕ができたこともあって、あまりにも歌がかっこよくて買ったんだった。
オー!リバルを聞くと怪盗キッドとコナンの戦いが脳内で始まるのよ、ヨーロッパ風味の館のなかで。そのビジョンをこんな鮮明に描いてくれるポルノの歌の威力ったらさ。
そこで久しぶりにポルノってやっぱいいなと他の歌も改めて聴き始めた。色々な歌を聴けば聴くほど楽しくなっていったし、昔から好きな歌もまた何度も何度も聞いた。そんなこんなして過ごしていたら職場にポルノが好きな人がいて「今度ライブあるんだよ」という話を聞いた。ライブに行きたい。こんなに声がすごくてかっこいい歌いっぱいあるんだから、全然ファン歴薄いけど、自分が行っても楽しめるんじゃないかとそわそわ期待してしまった。なんとか一般でとったチケット、初めてのライブは横浜スタジアムで開催された「横浜ロマンスポルノ'16 ~THE WAY~」。
まだ聞けてない、知らない歌もたくさんあったけど、自分の好きなアゲハ蝶(アコースティックver)、メリッサ、オー!リバルを生で初めて聴いて「ええええええええすご、す、すごすぎる?!!!?????」と衝撃を受けた。カセットテープで聞いてたら擦り切れてもおかしくないくらい聞いてきた歌たちが、いつも以上にとんでもないエネルギーで飛んできてぶつけられて、何をみたのかきいたのかわからないパワーをいっぱい感じて帰ってきた。元々好きだった声が、生で聴くとあんなにもっとすごいなんて知らなかった。そんなの好きにならないわけがない。生で聞いたギターもかっこよすぎて、本当に演奏してる???なんか違う音入ってる????って混乱した。
この衝撃から抜け出せず、その後すぐ控えていた台湾でのライブも行こうと宿と飛行機を手配していたのだが、直前で仕事とかぶりあえなく断念した。本当に行きたかった。でもそれ以降のライブは一般でチケットとって、大体とりあえず1回は行った。
そういえばこの時のロマポル横浜でミュージック・アワーに「変な踊り」という概念があって、それをポルノのファンの人みんな踊れるんだ…って衝撃を受けたのもいい思い出。
神vs神の啓示を受けてファンクラブに
そもそもこんなにアーティストのライブに狙っていくということがなかったくらい「好きなアーティスト」という概念が初めてできた頃なので、ファンクラブに入るという選択肢にその頃はまだ思い至っていなかった。結局ファンクラブに入ったのは20周年記念ライブ「NIPPONロマンスポルノ'19〜神vs神〜」がきっかけだった。
この神vs神は、行きたいなーといつも通りふんわり考えていたら2日間しか開催されないためにチケットが非常に取りづらくというか、取れなくて、一般申し込みは全滅した。取れなかったなぁ、残念だなぁと思っていたが、絶妙に諦めきれなくて、結局ライブ直前に急遽行けなくなった方々のお譲りをなんとかいただいて、両日とも滑り込むことができた。
そして当時のライブが、これまでの人生で受けたことのないような不思議で魅力的でドキドキしていいようがない最高の体験だったので、これはもうファンクラブ入るしかないよなと思って入会した。
あと当時のことは当時まだ隆盛だったFacebookに書き散らした。
家で過ごさざるをえない期間を歌で支えてもらった日々
20周年ライブがあったのが2019年9月のこと。そこから1年も経たないうちにCOVID-19で何もかもの舞台もライブもなくなってしまった、2020年。楽しみにしてた色んなものがどっか行ってしまったときに、支えてくれた1つは、岡野昭仁さんの歌配信だった。
2020年3月から始まったDISPATCHERSでは、ポルノの歌はもちろんそれ以外の歌も楽しませてもらえて、勇気づけてもらえた。オンラインライブも、家でプロジェクターで見ながら一人で見てた。聞いてた。昭仁さんの「猫」はそれこそまた聴き倒したよね……。いやあの、猫を歌ってる昭仁さんの声からにじみでる相手への愛よ……愛が……愛が大きくてぇ……すきぃ………………。
あれはあれで、大好きな声を思う存分、なんにも邪魔されず聴き倒せた時間だったので、それもそれで1つ、ポルノへの愛が深まった期間だったのかなと振り返って思う。
これを読んでる酔狂な方で、昭仁さんの猫を聞いたことない人はいないと思うが、久しぶりに改めてでも聞いてほしい。これを書きながら改めて聞いたら涙でた。やばい。好き。
久しぶりに見返したら釣り企画とかもあって懐かしってなった。この頃の番組があったから昭仁さんのかわいさに気づいてしまったのだな……罠だ……。
感染症が少し落ち着き始めた2020年12月にあった、ファンクラブ限定の「CYBERロマンスポルノ'20 ~REUNION~」。まさかの当選して現地で見られて、久々の生ポルノに泣いた。ああ〜これが聴きたかったんだ、これをずっと待ってたんだよなぁって、鬱々とした気持ちを晴らしてくれるかのような歌声に救われた。
昭仁さんの声と、晴一さんのギターは肩をはって並ぶ2つの音で、その音の組み合わせが”ポルノグラフィティ”なんだなということに気づけば気づくほど、それぞれの作品が染み渡るというか、深く胸の奥に響いてくるような気持ちになるのはなんなんだろう。
THE FIRST TAKEの「THE DAY」なんてもう聞いてわかるとおり、バッチバチに戦ってるよね、バッチバチに。デクとダイナマイトかよ。
2024年9月8日 横浜スタジアム
そうこうして、やっと日常が戻ってきてまた新曲を聞いたり、ライブに行ったり、ライブで聞いた昔の歌に惚れてまた聴き倒したりしながら迎えた、25周年目の横浜スタジアム。書いてて長かったな、ここまで。とかいって書き足りないところがまだまだ全然あるので、後でまた追加しよう。
25周年記念ライブが発表されて、因島はなかなかどうしても行くのが難しそうだったが、とりあえず横浜は絶対行きたい!とファンクラブ先行で申し込んだら見事、両日共にご用意いただけた。
1日目、初めてセットを目の当たりにして「テーマパークみたい!」とシンプルにテンション上がった。と思ってたら、まさかの出だしが「おいでよサンタモニカ」。なんだこのテーマパークに入場する前かのようなワクワクうきうきドキドキ感。陽気にタンバリン鳴らす昭仁さん見てたら、色んな余計なことがどんどん頭から抜けてってだんだんポルノで頭が満たされてった。
そこからの「まずこのテーマパークきたらこれ乗っとくか!」「次はこのあたり攻めてみよう」「ちょっと一旦のんびりしよう」「ここで次は絶叫系でしょ!」「最後はテンション上がるやつー!」という感じの、ポルノテーマパーク巡りで、もうただただ楽しすぎた!!!
個人的に大好きなカメレオン・レンズとZombies are standing outが聞けたのはとっても嬉しかったし、20周年のときにライブで聞いて好きになった狼が、フルで聞けて叫んだ。かっこいいなぁ、もう。1日目は向かって右側、晴一さん側の方の席に座っていたので、右側の大きなモニターをよく見ていたのだけど、カメレオン・レンズの「A blue bird has turned into a crow」のところで、黒い鳥たちがモニターの後ろをザッと飛んでいったのが、あまりにも印象的で忘れられない……。歌もすごいと自然の力もすごいのか……。
Zombiesで炎上がるところが、大きなモニターに炎を背負った昭仁さんが映ってて、その前に炎が上がってってもう最高にかっこよくてかっこよくてかっこよくてえぐい。あればあの場所でしか見られなかったかっこよさだよなと思う。あ〜〜〜〜かっこよかったな〜〜〜〜〜〜〜〜〜。しかし野外なのに離れたスタンド席でも結構熱かったから、あの近くで炎あびてるポルノの2人やばかっただろうな。晴一さんがローストチキンの気持ちっていうのわかる。
2日目、もしかしたら昨日とセトリ違う可能性もあるのかな?同じでも嬉しいな、いやもっかい同じセトリが聴きたいとか色々な欲望を抱えて臨んだ。なんといっても25周年当日にお祝いできる嬉しさと、ほどほどに暑い気温にいい天気、なにもかもが完璧なシチュエーションで迎えたライブ始め。
なんかもうね、幸せだった。歌が、いい音が聞けて幸せなのももちろんだけど、表情がめっちゃよかったんだよね。モニターに映る顔が。1日目はちょっと、調子良くないときがあって、たぶんポルノの2人ともそれをフォローするように結構いろいろ考えて、動いて、大変だったところもあったのかなっと、2日目見たあとになんとなくおもった。いや、そのおかげでおもっきり楽しかったのよ1日目。でも2日目は、2人ともさらにすっごくすっごくいい顔してて、こんないい顔して歌って演奏してるとこを、目の前で見られるなんて、聴けるなんて、なんて幸せなんだって形容し難い、とても素敵な感情に包まれてた。
だから最後に昭仁さんが、「すごく個人的なこと言うけど……今日25年で1番いい歌が歌えた。それは、みんなが背中を押してくれたから。本当にいい気持ちで歌えました」って聞いたときに、ああ、あの時のあの表情ってやっぱりそういうことなんだなって嬉しくなった。好きな人たちが最高の場面だと感じてる場にいられて、背中を押せたのだとしたら、一緒にあの場を作れたのだとしたら、こんなに嬉しくて幸せなことってないよ。
1日目のセトリにはあった「幸せについて本気出して考えてみた」が2日目にはなくて、「あ、これが幸せについて本気だして考えてみた結果の”今日”なんだ」って感じて、またしあわせな気持ちになった。(その代わりに入ったあの歌が、こちらのファンのことを考えて入れてくれた歌なら大正解としかいいようがない。Dive in the mother's sky)
普段は声と音しか聞けないけど、全身で歌ってくれる昭仁さんと、全身で音を伝えてくれる晴一さんを見られるのもライブならではというか、そこも含めてポルノの歌だしライブの楽しさだと思う。あと2人が50手前のお歳とは思えないくらいかわいくかっこいいのずるい。
2日目のMCで晴一さんが「人間の身体は食べたもので作られて、5年で身体全部が入れ替わる」という話をしていた。「ポルノ100%になって5回目。お前はソロやってるから99%くらい」という晴一さんに「お前もミュージカルとかやってるから97%くらいだ」と昭仁さんが反撃して「今日100%にしまーす!」と宣言した晴一さん。このやりとりも微笑ましいけど、ライブ最後にビール飲んだところでポルノ100%になったんじゃないかなっとなんとなく思った。20周年ときもそういえば飲んでたな、ビール。横浜スタジアムならではのビール売り子さんとアナウンス、よかった。
あと5年という月日が、ちょうど20周年のあのライブから5年経ったちょうどこの日だったので、自分もポルノ100%になったんだなとじんわりした。
REUNIONで「ポルノグラフィティ、全盛期はこれからです!」と昭仁さんが言ったとき、もちろん大きく喜んだけど、あの神vs神を超える体験なんてこの先にあるのかな?と思ってる部分がないでもなかった。それだけあのライブがすごかったし、今でも自分の中で大きな大きな体験として残っているから。
でも今回の解放区を横浜スタジアムで味わって改めて「本当にポルノグラフィティまだまだこれからだ!!!」って、あの時感じた疑問がポーンとどっかに飛んでった。まさに解放区だった。こんなに手放しでしあわせの余韻に浸らせてもらえる体験なんて初めてだよ。もちろん、神vs神と解放区の間のライブや配信や歌なんかでも、十分ポルノすんごいなって感じてた。でも今回のロマポルの感情や思いや積み重ねてきた色々なものをギュッと1つに握りしめて振りかぶって豪速球投げられたみたいなインパクト、そしてそれをど真ん中で撃ち抜いてホームラン打ったみたいな突き抜けるような気持ち。解放区を歌としてだけじゃなくて現実にこんなに体感させて実感させてもらえるなんてことあるのか……
最後に晴一さんから差し出された手をガッチリ握り返した昭仁さん、最高にポルノグラフィティだった。
自分にとってポルノグラフィティは、9月8日に見て聴いたときの感情が全てだとおもう。
でもこの先まだまだポルノは全盛期なので、自分にとってのポルノの答えは、まだまだきっとポルノが見せてくれる、ポルノと見られる景色によって、変わっていくんだろうなと思うと、とても楽しみだ。
ありがとうポルノグラフィティ、おめでとうポルノグラフィティ。
あ〜早く映像でもう一度あの光景が見たい、聴きたい。円盤まだかな。因島ライブの劇場放送も楽しみすぎる。
「愛してる」「最高だ」って言ってもらえたので、これから先しばらく解放区を思い出して色んなことがんばっていける。愛してるよポルノー!