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小笠原諸島に行くためにおがさわら丸に乗ってみよう! #小笠原しまレポーター

小笠原諸島の父島に12月中頃に行ってきました。
小笠原諸島といえば2011年に世界遺産に認定されたことでも有名な日本のガラパゴス。その島へ行く手段は船に限られるうえに、片道25時間半という長旅、安くはない乗船券ということでなかなかハードルが高いのですが、それでも行ってみたい!と思い続けてやっと行ってきたので、まずはその大きなハードルとなってる船の一部始終を書いてみます。


まずは乗船券を予約

小笠原諸島に行くにはおがさわら丸という定期船に乗ります。基本的に3日に一度の出港となるため、最低でも島に3泊、前後の船泊で2泊となり、旅行にあたり6日間は確保する必要があります。
おがさわら丸の乗船券は乗船日の2ヶ月前から予約可能になるのと、出港日が半年以上前には決まっているので計画は立てやすいです。
ただ飛行機と違って早めに買っても安くはならないのと、1隻のみの運行なので目当ての日がうまってしまったらもうその日はどう頑張っても小笠原諸島に行けません。
小笠原諸島はゴールデンウィークと年末年始、春休み時期がピークで、それ以外は埋まってしまうということもなさそうですが、余裕はあるに越したことはないです。自分は乗り込むおよそ3週間前に乗船券の予約をしました。
他にも年に一度おがさわら丸が休む時期があり、その前後も混むようなので出港日はよく確認してみてください。

小笠原海運
http://www.ogasawarakaiun.co.jp/

乗船券は浜松町の竹芝ターミナルに直接いくか、小笠原海運の受付に電話して指定口座に料金を振り込んで券を送ってもらうか、旅行会社を経由して購入することができます。
自分の場合は船が埋まってしまったらやだなーとおもって、まずは電話で券を抑え、浜松町の方へ行く予定があったので竹芝ターミナルで料金を支払いその場で券をもらいました。
このやり方をする場合は電話で予約する際に竹芝ターミナルで支払いたい旨を伝えます。すると名前と連絡先を東海汽船の窓口に伝えてもらえるので、窓口で名前と乗船券の支払いにきたことをいいます。竹芝ターミナルの窓口での支払いの場合クレジットカードが使えますが分割払いはできません。
※おがさはら丸を運行しているのは小笠原海運ですが、竹芝ターミナルで受付代行しているのは東海汽船。


支払いが完了後、当日は支払い窓口の横の搭乗券引き換え窓口が8時半に開くので、そこで乗船券と交換するように、といわれました。


当日、窓口で搭乗券との引き換え

乗船券を買えば乗れるものだとおもっていたおがさはら丸。
実は事前に購入して渡される券は、あくまでも「乗船の予約」であり実際に船に乗るには出航当日に窓口で搭乗券と引き換え、その券に氏名住所等を書く必要がありました。


そしてこの窓口が8時半にあくといわれたのですが、出航時間は10時。別に9時くらいに行けばいいよね、と思っていたら…事前調査によるとなんでも速い人は8時には並んでいるとか。
これがまたなぜそんな早く並ぶ必要があるかというと…おがさわら丸には2等から特等まで5段階の等級があり、上の等級を買えば個室などがわりふられ船旅をより快適に過ごせます。
ただここがまた小笠原諸島へいくハードルとなっているのですが、1番下の2等級でも片道26,350円(燃油代により変動あり)というなかなかゴージャスなお値段なのに対し、2等級で割りふられる席が大広間に敷かれた1人がまっすぐに寝られる程度のマットレスのみというなかなか大衆感の強い席となっているわけです。

しかもこのマットレスの場所指定は当日船に入った順に割りふられるのですが、やはり数字が前の方が上の階で快適なのと、2等級にはレディースルームとファミリールームがあり、これは完璧先着順でのみの受付になるので、そこを狙いたい人はとりあえず早めに行くに越したことはない、という感じなんですね。
なので2等級より上の等級を買った人はまぁ1時間前くらいにはついてれば大丈夫です。


というわけで当日朝8時に窓口に到着。
すでに数人ならんでる人たちは何時にきたんだろうか…その後も続々と列はのびていきました。

8時半になると窓口があいて搭乗券との引き換えが始まります。もらった搭乗券に名前などなど書き込んで、あとは整理番号順に呼ばれるのをまてばよし…と思っていたら、ここからが2等級の勝負でした。


窓口のある建物をでて船着場の方へ進むと「2等御列」なるものが…
てっきり搭乗券に書いてある整理番号順に入れるものだとおもったら、まさかのまた待機列!もう並ぶしかないと、そこから待つこと1時間。
9時半からようやく2等級の船内入場がはじまりました。さむかった…。


船に乗り込む際に書いた搭乗券をわたし、半券をもらってから先に進んで2等級の整理番号をもらいます。これが船内での席になるので、このときにレディースルームやファミリールームを希望する場合は係りの人に伝えると専用の整理番号がもらえます。


レディースルームと船内の様子

行きの船ではみごとレディースルームの1番をゲットして、はじっこのスペースにゆとりのある席を確保できました。

レディースルームの雰囲気はこんなかんじ。1番と2番だけ船に対して垂直で、それ以降の番号は船の進行方向に対して平行に寝る形になっています。酔いやすい人は船の進行方向に対して垂直に寝る方がラクだと思うので、酔いやすい人は特に早めにがんばるといいかもしれません。


電源については入口のところに1つしか部屋の中になく、基本的には譲り合いです。ただ個人的には延長コードをもっていって使うのが1番いいかと。行きの船ではわりと譲り合いで使っていましたが、帰りの船ではどなたかが延長コードを既にさしていたので、そこに自分でもってきた延長コードをさして、自分のマットレスまでのばして充電に使っていました。


レディースルームの近くに女性用のお手洗いとシャワールームもあります。お手洗いとシャワールームは各デッキにも設置されていて混んで使えないということはありませんでした。シャワールームにはシャンプー、石けんのたぐいはないので持参しましょう。


船は外に面した屋外デッキから下に向かってAデッキ〜Eデッキまであり、2等級の部屋があるのがC〜Eデッキ、レディースルーム・ファミリールームがあるのがDデッキとなっています。
D〜Eデッキが地下になるので電波圏内にいても部屋に入ってしまうと圏外表示になってしまうので、電波があるときはCより上のデッキにいました。

Cデッキにはレストランと売店、Bデッキには窓辺の休憩スペースと自動販売機、Aデッキにはスナックスペース(カフェっぽいの)、喫煙スペースがあります。C以上から上は船の外側に出て景色を楽しむことができ、特にCデッキは海面に一番近いので迫力がすごいです。

またやっぱり景色をみるのは1番上の屋外デッキが気持ちいいですね。

とはいえ、結構海風が寒いので、個人的なおすすめはAデッキのスナックスペース。ここは海を望める大きな窓があり、ビールとつまみを買って海をボーッと眺めているのが1番楽しいです。
ただこのスナックスペースは座れる席が6席程度しかないため、ここが満員の場合はBデッキの窓辺の休憩席(ここは片方にだけ電源あり)か、Cデッキのレストランの窓辺のカウンター席がおすすめです。

レストランのご飯は全体的にちょっとお高めですが味はしっかりおいしいです。ビールについては自動販売機で缶を買った方が安いです。ただ、だいたいの人は船に乗る前に買い込んでいました。売店もあるので小笠原のお土産やお菓子、Tシャツ、雑誌などなど購入できます。また酔い止めの薬も売っているので買い忘れた人はここで購入しましょう。

レストラン、スナック、売店は営業時間が決まっていて、スナックと売店は活動時間(消灯前や下船前)は基本開店しています。レストランは朝・昼・夜と限定で営業しており、それ以外の時間は解放されているので、席に座ってのんびりできます。

船の中は全体的に電源が少ないです。そのため空いているところがあったらラッキーと考えましょう。もしくは埋まっている場所があったら延長コードをもっていって、使っている方に差し替えてもいいですか?と聞くのがはやいです。


船酔い対策

船に25時間半も乗っていると心配なのは船酔いですが、薬を飲んで行ったので今回の旅の中で船酔いすることは1度もありませんでした。
冬の海は夏場に比べると波が高くなりがちですが、船自体はそれなりに大きいのでそこまでゆれまくって辛い、ということもありません。ただ天候にもよるので、そこらへんは若干運にもなります…。


酔い止めの薬を買う際に、自分は「連続して飲める薬」を選んで買いました。
1日効く、というタイプのものが最近多いのですが、そのタイプの持続時間は大体6〜7時間がMAXの効き目になるもので連続して飲まないようにと注意書きされているため、25時間半の船旅にはあわないためです。
連続して飲める薬の方は持続時間は短くなりますが、飲んでから効き目が速いのと、薬を飲んでから4時間空くと次の薬を飲んでもOKなので体調にあわせて飲みやすくなっています。
自分の体調にあう薬をもっていくようにするのがいいかなと。


【指定第2類医薬品】エアミットサットF 12錠


船内の過ごし方は寝るか外を見るかのどちらかでなんとかなります。携帯は電波が届かなくなるとゲームや漫画を読む以外できなくなりますが、恐らく下を向いていると酔いやすいので寝転がりながらの方がラクです。
またどうしても酔ってしまったら、船内のいたるところにビニール袋が設置されているので好きなように使いましょう。

どうがんばっても酔ってしまうととてもつらいものにしかならないので、薬と体調管理は特に気をつけました。


船内イベントと下船の流れ

船内では色んなタイミングで船内放送が流れます。
特に船内イベントが行われるタイミングのアナウンスが聞こえたら迷わず参加しておきましょう。行きと帰りで少し内容が異なるようです。

行きのイベントは小笠原についてからの観光で悩みのある人の相談会、船から見える島や生き物の説明などがあります。またイベントではないですが、日の出と日の入りの時間が船内に提示されているので、海の上から眺めてみるのも乙です。


下船の際もアナウンスがあり、そのアナウンスがあると出口に向かって荷物をもった人たちが並びはじめます。並ぶ前に貴重品を金庫に預けていた人はとりにいく必要があります。
タイミングをのがすと降りるまでちょっと時間がかかったりするので、特に帰りの船で時間がない人は早めに出られるように待機しておくといいかもしれません。

小笠原諸島に行きたい!と思っていても憂鬱になる25時間の船旅ですが、乗ってしまえばなんだかんだで楽しいものでした。帰りの船で機器のトラブルがあり、結果27時間かかったりもしましたが、海を見たり、寝たり、もっていった電子書籍で漫画を読んだり、ビールを飲んでボーッとしてたり、船内の人と話してみたり、色々と船の中でないとできないゆっくりした体験ができるので、小笠原に行きたいと思っている人は怖がらずに乗ってみてください。