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様々な演出が加わったライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」〜暁の調べ〜を見て #ナルステ

5月19日から封切りとなったライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」〜暁の調べ〜を見てきた。ここからは主にステージの演出のネタバレなどを多く含む内容になることをふまえて読み進めてもらいたい。


2015年から始まったライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」、ストーリーはナルトがアカデミーを卒業して忍者になり第七班としてさまざまな任務をこなして友達のサスケが里を出てしまう.......というところでおわったため、いやこれはどう考えても続編あるだろうやらないなんてうそだろう、どうかやってください、とおもわざるをえなかった。そして次の2016年には再炎というかたちで1stステージのストーリーはそのままに演出やキャストを大きくブラッシュアップし、大きく完成度をあげさらに魅了されもうこれで続編やらないなんてうそだよ........と思っていた今年2017年、待望の続編の開幕だ。


先にストーリー的なネタバレをしてしまうと今回の「暁の調べ」は原作でいうところの、ナルトが2年の修行から里に戻った28巻から、サスケ率いる小隊が鷹に名をあらため木の葉の里崩しを決める43巻(とあと少し44巻冒頭の403話)までのストーリーになっている。そしてこのステージを見る前に原作を読み直しておくことを深くおすすめする。


演出について

1stステージ、2ndステージでは主にアクションを中心としたさまざまな工夫を凝らした演出がこのナルステの見所のひとつであったので、今回の暁の調べも本当に楽しみにしていた。名前のとおり、そして事前のニュースのとおりに今回は歌をうたうのも見所の一つということで2.5次元でないミュージカル好きとしても楽しみにしていた。


以下にまずはざざっとおもいだす限りの特徴的な技術的な演出を書き出してみる。

  • 透過型スクリーンによるプロジェクション:主に忍術まわりのエフェクトに利用。今回このプロジェクションにより迫力や完成度がものすごく高いのだが、残念なことにステージ中央部分のスクリーンが重なるところが透過されずらく、スクリーンの裏に周りこんでいるシーンは顔などがあまりみえない。席が真正面でない方が逆に顔などはみやすくなる
  • スモークをたいたレーザーでのライティング:場面切り替えやキャラクターの心情表現などに使われているが、まるで夢をみているような不思議な感覚になる
  • インフレータブルバルーン:デイダラの巨大芸術物が空気をいれていく様子とあわせて巨大化していくような演出に。ちょっとまぬけな感があるが個人的にはすき。
  • LEDジャグリング:サスケの武器、大蛇丸の忍術演出など。
  • 手のひらLED:ナルトの螺旋手裏剣、サクラの医療忍術、カブトの攻撃・治療などなど今回も多様されていた。術が使ってることがわかりやすい
  • ヤマトがカカシ班の動きをみるシミュレーションの際に伸縮する棒?のようなものをなげる。でもそこから棒術アクションがあまりないのはちょっとさみしい
  • 弦楽器と和太鼓の生演奏:OP、ED、ほか重要なシーンで臨場感と迫力があった
  • 布を使ったダンス:大蛇丸の忍術の演出に。ちなみにこの布はサスケに巻きつかれまたあやしげな印象になる。布とサスケの組み合わせがまた見られるとは。


そして肝心の歌の使われどころだが、今作からちょうどNARUTOの情景的な複雑さが増すことから主に状況や背景の説明、そしてキャラクターの心情をうったえる箇所で歌の挿入があった。主にうたっているのは今作から新キャストとして仲間入りしたメンバーが主で歌を主軸にするためにもしかすると歌が得意なキャスティングにしたのかなと感じられた(残念ながら自分はキャストの方々の他の作品についてあまり存じ上げていない)。
前作からその美声を響かせていた大蛇丸は相変わらずの迫力で、今回の歌の演出にもぴったりとはまっていた。若干ヤマトがいきなり1人だけ状況を教えるためだけに歌い始めたのは違和感があった(おそらくその後のサイが絵本を完成させるシーンへと続く出だしの歌だったとはおもう)。とはいえ思い起こせば1stを最初にみたときも、いやこれはむりあるよとおもうシーンがたくさんあったのできっとこれからまだまだ凄みをましていくに違いないと楽しみでもある。
また特に歌の演出が特にマッチしていたのはサスケが蛇のメンバーを集めるシーンだった。大蛇丸を倒し、水月、香燐、重吾を次々と引き入れていく様子は4人共が歌がうまいことはもちろん、それぞれのキャラクターにある個性がよくわかる曲調であったり、それぞれが濃いメンバーが歌によってうまくまとまっていく様子が見ていてわくわくした。そこから蛇として結成した瞬間のあと決め立ち姿は最高だ。


また今回も前作同様にEDには「光追いかけて」が採用されているが、ナルトに続いてサスケがうたい、またこれまでになかった振り付けが加わりさらにEDのわいわいとした楽しい雰囲気が加速した。特に中盤に客席にファンサービスしにきてくれるときのちょっとした指差しみたいなアクションにはこころを撃ち抜かれている人が多数でているようだし、また最後の方のサビにステージでみんながあわせて踊るのがかわいすぎてかわいすぎてディスクの完成が待ちきれない。会場ではステージを収録したDVD/BRの予約が受け付けられており、到着は12月頃のようだ。


新メンバー、綱手、ヤマト、サイ、イタチ

まず何より綱手さまの姿にどうしても一箇所に視線が集中してしまうのだが、そこもあわせて再現度高いきれいかっこいいかんじの綱手さまだと感じた。あと歌がうまい。この綱手さま、ヤマト隊長、サイの3人はほぼ歌ってるのでは、という印象になるくらいに歌い手を担っている。ヤマト隊長はキャラの淡々とした感じや、ちょっとした魅せるホラーな面も面白く表現されていてよかった。歌もうまくてさすが火影直属の暗部ですね、と感心してしまう。
サイの衣装もまたどうもおなか冷えないのかと心配になるくらいに原作ままに再現されている。1部ではカカシ班シーンは主にサイを中心に話が進んでいくので、サイが好きな人にはうれしいストーリーだ。


そして肝心要のイタチはなんといっても歌唱力が本当にすごいなと圧倒させられる。
イタチがサスケをおもってサスケをだましてきたことが明らかになるシーンでは、弦楽器の演奏とイタチ・サスケの歌が最高潮に涙誘発剤になる。もー、あれあかんて。


カカシとサクラ

まずは何よりカカシ先生役の君沢さんのご回復を心の底から本当によかったです、ナルステに帰ってきてくれてありがとうございますと深々と感謝の意を記したい。
今作のストーリーの中では本来重要な役所である自来也が登場しないため、ナルトの指導を一手に引き受けているカカシ先生だが前作に比べてアクションはほぼない。ストーリー的にもたしかにこの期間はカカシ先生の活躍シーンは少ないのだが、貴重な我愛羅奪還シーンはほぼすべてカットされてしまうので(風影が暁に奪われた!助けにいくぞ→助けたぞ!で、戦闘シーンがないのでもちろん我愛羅もでてこない)、1部ではあまりカカシ先生の活躍を見ることができない。2部からはナルトの修行につきそうシーンがあり、そこでナルトとカカシのなんだかかわらない感じのやりとりをみてほっこりすることができる。
きっとこの調子でナルステがどんどん進化していくと、次の続編ではまずまちがいなくカカシ先生が重要肝心要になるはずで(なんたって暁にトビがでてきている以上、そこは回避できないであろうし)、そのためにも今回のストーリーにカカシ先生は必要不可欠でありながら、続編にもっと活躍していただきたいのでどうぞご無理なさらずにいてほしい。しかしあれだけ短い登場にも関わらず話し方やしぐさなどカカシ先生度が増していることを感じざるをえなかった。本当にすてきだった。あと途中にパックンがカカシ先生の肩に乗って登場するのも見所のひとつだ。


そして第七班の紅一点サクラ。今回はかわいいイメージのほか、前回よりも強さが感じられる印象になっていた。修行の末に医療忍術と強さも手にいれて、カカシ班を強くもまとめコミカルにもまとめて頼もしさがグッとあがっている。荒々しい演技と新しい衣装もバッチリ似合っていた。医療忍術を身につけたことで心身ともにケアできるという意味で、サクラはみんなにとってかけがえのない存在で、それをかわいい笑顔と共に見せてくれるのは見てるこちらも安心する。


ナルトとサスケ

ナルトとサスケについて、何をどこをどうとっても何もかもがレベルが上がりすぎていてもはや言葉に説明しづらい。


サスケ歌うますぎ........!!!!が今回のステージ見ている上での最初の衝撃だった。もちろん新しい衣装や新しい武器をつかった殺陣など、それはもうありとあらゆる面でかっこよさを独り占めしているのだが、それにつけくわえてあの歌唱力。前作のステージで日増しに演技にすごみがかかっていくサスケをみて、このサスケをもっともっと見たい!と思わされたが、今回その演技の凄さが増したうえにその演技に加えての歌。ただ歌がうまい、だけではなく、きちんとサスケとしての感情がみえるという意味での歌のうまさ、台詞まわし、このサスケが見られることができて本当にしあわせだとおもう。心のそこから企画の方に感謝の念を送りたい。
そしてサスケの衣装チェンジが4回(1.和服っぽい大蛇丸のところにいるときのもの、2.蛇として動き始めるマント、3.蛇として活動する戦闘向きの装束、4. 上半身裸に包帯が巻かれ手当された状態)もあったことに色々な想いを感じずにはいられない。ありがとうありがとう。


前作から続いてナルトのキャラクター性をおもいきり表現しているダンスは、前作以上に細やかな振り付けとストーリー性が感じられて、それだけで1つの作品として完成している。何度見ても飽きさせないナルトのステージはこのダンスなしでは語りきれない。オープニングに登場人物紹介があるが、自分のターンではキレのあるくないをつかったアクションをみせてくれて、暁メンバーのターンになるとその横で九尾のチャクラがナルトを覆い尽くす飲み込んでしまうかのようなダンスをみることができる。
さらに2部の螺旋手裏剣に至る修行では歌とともにこぎみよいダンスを。あんなに踊って歌って動いているのにまったく息が切れる様子を感じさせないナルトの修行の大変さはどんなものだったんだろう。修行のシーンを見るたび、その裏にあった修行に感動せずにはいられない。


サスケもナルトも、どちらもどちらか一方だけがすごいのではなく、どちらもそれぞれに持ち味を活かしてすごいというのがまた原作のNARUTOの世界観をそのまま感じられてうれしくおもう。NARUTOの主人公はナルトだが、もちろんサスケなくしてはナルトはナルトでいられないので、そういった面をふまえてこのナルトとサスケのスキル的なバランス感は最高すぎた。
今回のステージは東京公演に始まり、大阪、シンガポール、上海、そして最後に東京凱旋公演を控えている。けっこうな長丁場でコンスタントに演じられるのは本当に大変だとおもうが、見るたびにバージョンアップされていくナルステをまた見に行くのが楽しみだ。


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