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イベント/旅行/デザイン/おいしいもの...

6月にクロスバイクを買って9月にツールド東北2016で60kmコースを完走した話

2016年の3月に人に誘われてロードバイクに乗った。もともと自転車に乗ることが好きだったがスポーツサイクリングはこれが初めてだった。乗り慣れた人たちとグループになりレンタルバイクで三浦半島をぐるりというほど軽快にでもないが、ゆったり走り、自転車は楽しいと改めて感じた。


そこから悩んだ結果、ロードバイクではなくクロスバイクを購入したのが6月のこと。大型自転車店に行って相談し、まずは手頃で乗りやすいクロスバイクがいいのではとすすめられ、その中でも見た目の好みでと、ついてくるパーツが整っていたKhodaaBloomに決めた。

https://www.instagram.com/p/BFaYnKMRCJ3/



この時点ではもちろんツールド東北への参加など毛頭考えてもいなかった。ツールド東北自体は周りでも参加する人が多かったため知ってはいたが、そもそもビギナーな自分が参加しようなんて発想はなかった。ただ自転車が楽しめればよかったのだ。しかしまぁなんやかんやと話をするなかで結果、参加フォームに入力し申し込み走ることになったのだから人生よくわからない。


今回自分が走ることになった60kmの女川・雄勝フォンドはツールド東北の本参加の中で最も短いコースだ。石巻専修大学からスタートし、女川、雄勝を巡って石巻に戻ってくる。以前、雄勝の廃校を活かして設立されたMORIUMIUSのサポーターをしていたときのことを思い起こすと「あの山を自転車で越えるのか……」と暗澹たる想いと、「あの自然のなかを走るのはきもちよさそうだなぁ」という清々しい想いと複雑このうえないきもちでイベント当日直前まで過ごした。

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参加に向けた準備

さて、きもちの問題はなんとかするとして、動いて準備しないとなんともならないいくつかのことをイベントまでに整える必要があった。



まずはそもそもとして60km走ることができるのかということだ。クロスバイクを買ってからというもの近くの土手を走ってみたりもしてみたが、せいぜい往復20km程度だった。これはまずい。どう考えてもまずい。走りきれる気がしない。とおもいながら、結局イベントまでに60kmを走ったのはたった1度きり。しかも平坦な土手のみという体たらくだったが、1回走ったことできっとなんとかなるだろう無理しなければ、という気楽な確信をもった。

https://www.instagram.com/p/BJEReotgYeS/



実際に60kmを走ってみて装備をそろえないといけないことに気がついた。
大会の規定にもなっている、ヘルメット、グローブ、ヘッドライトとテールライトor反射板。これがないと当日参加すらできないが、ありがたいことに購入したKhodaaBloomにはヘッドライトと反射板がついていたのでそこは悩まず。ヘルメットとグローブは何を買おうか迷っていたら知人からゆずってもらえたので事なきを得ることができた。しかしだいじなのはここからだ。
60km走り何はなくとも買わないとだめだと心に決めたのはサドルサポーター付きのウェアだった。サドル部分にクッションのついているタイプのウェアで、それがないといってしまえば、ずっと自転車に乗っているのでおしりが痛い。乗り慣れている人からすると、それは腰をかけすぎということなのだがとりあえずビギナーなので見逃してもらいたい。
サポーター付きのウェアは服の下につけるものもあれば、服そのものについているタイプもあるのでいくつか違ったタイプを持っておくことにした。



そしてボトルケージとサイクリングバッグ。これは60km走ってみる前からほしいと悩んでいたのだが、いまいち決め手にかけていた。自転車のフレームに取り付けるボトルケージはペットボトル用とサイクリング専用のボトル用と大きく2タイプある。違いとしては純粋にサイズの違いで、ペットボトル用ではサイクリングボトルが入らず、ボトル用ではペットボトルがスカスカで落ちてしまう。サイクリングボトルのいいところは、飲み口が自転車を止めなくても片手で飲むことができるようになっていることだが、反面入れ替えたり、手入れしたり手間はふえる。ペットボトルなら手間はないが、飲むときにフタをあける必要があるので止まらなければならない。まぁそれくらい止まって飲めばいいのだが、リズムよく走っているときに止まるのは自分にとっても周りで走っているひとにもあんまりよくはないので悩ましい。


そんなときに自転車店で発見したのはペットボトルの飲み口を取り替えられるキャップだった。これを買わない手はない。



それとあわせて、ペットボトルにもサイクリングボトルにも使えるサイズが調整できるボトルケージ、TOPEAKのモジュラーケージ IIを購入した。



そしてサイクリングバッグもTOPEAKのエアロ ウェッジ、クイッククリックタイプを購入。ここらへんはボトルケージと同じブランドでいいかともうあんまり考えず、前より後ろにつけた方が邪魔にならないのではないかという考えてサドル部分に取り付けるタイプの最低限のものが入るサイズで選んだものだ。


さらにハンドル部分に取り付けられる防水のスマホケースも購入したが、いま考えるとバッグとケースセットになっているものでもよかったかもしれない。防水ケースは便利なのだが充電しながら走れないので、いっしょになっているタイプはよさそうだ。



宿手配と会場に行くまで

ツールド東北に行くことが決まってすぐ宿を手配した。ツールド東北への参加は抽選できまる。結果発表されたすぐの段階でネットで宿を探してみたものの、ほぼすべてうまっているような状態だった。が、こういう場合はあわてずに宿の電話番号を調べて電話すると意外ととれるものである。駅から徒歩2分の旅館に9名で手配することができた。
手配したあとで、MORIUMIUSをツールド東北の参加者、応援者向けに宿として提供していると話を聞いたのでもしまた次機会があればそちらに泊まるのもよさそうだ。キャパも大きいので雄勝周辺の宿で困った場合は迷わず問い合わせてみたい。

MORIUMIUS LUSAIL


自転車の持ち込み・持ち帰りはイベントでサポートしているサイクルパックというサービスを使って運び込むことが可能だが、走行直前・直後に自転車のメンテナンスをしたい場合には少し不自由があるため、今回はチームでの移動ということもあり大型車を借りて自転車を詰めて東京から宮城まで移動となった。イベントに参加するには前日受付を17時半までに行わないといけないため、朝9時頃に集合して移動というわりと時間に遊びのないスケジュールではあったが、たまにはこんな旅もいいだろう。

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受付場所はイベントのスタートとゴール地点である石巻専修大学の校庭奥側。前日から出店やイベントがやっているようで余裕がある人は早めに行って楽しむのもよさそうだ。前日受付でネットからダウンロードできる車両・健康チェックリストに記入したものを提出し、メールで届いていたQRコードをスマートフォンで提示して受付が完了。引き換えに服にとりつけるゼッケン、ヘルメットに貼付けるシール、自転車にとりつけるゼッケン番号を書くパネルを渡された。これを明日にはすべて装備してまた会場に戻ってくることになる。

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ここであわせてツールド東北のTシャツをもらったので、これを着てイベントにのぞむことにした。

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イベント当日

イベント当日は生憎の雨だった。生憎すぎる。いやそれ以前に雨のなかを走るのは初めてだ。こんなシチュエーション想像していなかった。しかも宮城、わりと寒い。今年4回目の開催にして初の雨のツールド東北となったそうだが、そんなことで中止になったりしないわけで、とにかくがんばる以外の選択肢はない。

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持ってきた服では雨をしのぎきるのが、というよりも、寒さをしのぎきるのが難しかったため急遽会場にきていた出張ファミリーマートでレインコートを購入した。朝だと出店もはじまっておらずファミリーマートもあたたかい飲み物のあつかいがなかったのでなかなかつらかった。きっと来年からはあたたかい飲み物を導入してくれるに違いない。


60kmコースは8時半頃からだんだんと会場に集まり、9時頃から順々にスタートしていく。集まった順からのスタートとなるので早めにスタートしたい人は早めにあつまった方がいいだろう。スタート地点に集まる段階で、ヘルメット、グローブ、ヘッドライト、テールライト(もしくは反射板)の装備が確認されるので忘れずに装着しておきたい。なかにはライトの電池切れでひっかかってしまっている人もいたので、事前の自転車整備点検は念入りにして損はない。
ビギナーな自分は自身の点検にまったく信用がおけなかったので、参加直前に自転車店にいきメンテナンスをお願いしていた。もし事前の点検を忘れてしまっていたとしても会場には食べ物の出店のほか、自転車用品のブースもあり現金、およびクレジットカードでの買い物や点検をお願いすることができるので、整備に不安のある人は出走前に必ず立ち寄っておこう。また会場では荷物を預かってくれるクロークが準備されており、道中はやはり大きい荷物はじゃまなので最低限の貴重品以外は預けてしまった方がいいだろう。
装着したサドルバックに工具セットとタイヤチューブ、少しの現金とクレジットカード、チームメイトから足がつらないようにともらった塩飴をつめてスタートゲートに向かった。

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なんやかんやと準備してスタートの声がかかり走り出した瞬間「さむい、帰りたい」と思った。それほどに雨のなか走るのはつらかった。だが、だんだんと身体があったまっていくにつれて帰りたいきもちは薄まり、まわりの景色を楽しむ余裕がでてきた。スタートからしばらくは住宅の多い平坦な道路を走るためわりと余裕があった。また信号もところどころにあるので先に進むのに自転車がつまっていることも多かった。


そうしてスタートから1時間と少しで第1エイドに到着。ツールド東北ではすべてのコースにエイドとよばれる休憩所があり、そこでそれぞれおいしいなにがしかが配布されている。コースの距離によってエイド数は異なり60kmは全部で3つのエイドがある。


第1エイドでは女川でとれたさんまのつみれ汁がふるまわれていた。この寒いなか体力と体温をうばわれた身体にしみることこのうえない。つみれ汁ありがとう。そしてこのつみれ汁ほんとうにおいしい。

https://www.instagram.com/p/BKer-ZjAIqJ/


第1エイドの会場は女川駅で無料ではいれる足湯のほか、有料の温泉施設と土産売り場があったがそんなにのんびりしている余裕もなくふらりと眺めてその場をあとにした。簡易トイレではないトイレがあるのはありがたかった。


名残惜しくも限られた時間を考えて第1エイドをあとに。走り始めはまた汗がひえてしばらく寒かった。さて、いよいよここからが60kmコースの本番だ。女川から雄勝にかけてつらなる山を上がったり下がったりして越えていかなければならない。
今回チームでツールド東北に応募したものの実際に60kmコースを走るのは自分1人。ほかのメンバーは170km、100kmとそれぞれ分散していた。自分のペースで進めるのでそれはそれでいいのだが、この第1エイドから第2エイドの道のりが住宅や建物がまったくない山間の道路なのでわりと孤独感がつよかった。山なので道沿いで応援してくれる人もいない。てっぺんの見えない坂道をゆるゆると1人のぼっていくのはなかなかつらかったが、途中追い越していく人から「がんばって!」と声をかけられたり、走行管理のスタッフさんに「あともう少しですよ!」とはげましてもらったおかげもあり第2エイドに到着した。第2エイドで先ほどすれ違った走行管理のスタッフさんと会い「がんばりましたね、おつかれさまでした!」と言ってもらえたのはうれしかった。

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第2エイドは久しぶりの雄勝・おがつ店こ屋街の道路はさんだ反対側。おがつ店こ屋街はコンビニのようなスーパーのような品揃えのお店と雄勝の人がつくった雑貨の販売スペース、地のものをつかった定食屋なんかがある建物で、雄勝といえばで有名な硯石の資料館もある場所だ。残念ながらそちらに立ち寄る気力と時間はなかったが、雄勝の海でとれた身の大きい網焼きホタテがふるまわれていた。もう海鮮類の網焼きってあらがう術無くうまいよね。しかもとれたてぷりぷり。

https://www.instagram.com/p/BKe78qrAQTP/


第1エイドから第2エイドまでかかった時間は1時間とちょっとくらい。想定通りに進めていたがあんまりのんびりしすぎてまた身体が冷えるのもなということで、休憩もほどほどに飲み物を補給して第3エイドを目指すことに。


第2エイドを出てわりとすぐに始まるのは長い長いのぼり坂。事前に配布されていたコース案内によるとこの坂が全コース内で一番の標高を示していた。この坂を越えればあとはずっと平坦な道のりになるはず……という果てない夢をみていざ坂道をこぎすすむ。これがまたまぁ長い坂なのだが、きもち的には第2エイド手前の坂の方が辛かったのでそれに比べたら長いだけでなんとかならないこともなかった。結果、ゆるゆるとのぼりきることに成功した。第2エイド出発くらいからちょうど雨もやんでいたのがありがたかった。頑張ってのぼった坂のくだりはトンネルの途中からはじまった。トンネルをぬけたときのあの晴れやかなきもちは思い返してもいいものだ。


その先にほかのコースとの合流地点、北上川をわたる橋の手前をわたらず通り過ぎ住宅街を少しすすむと最終エイドに到着した。時間14時13分。この最終エイドに15時30分までにたどり着かないとサポートカーに回収されてしまい完走できないので、なんとしてもボーダータイムまでにたどり着きたかった。結果1時間以上の余裕をもって着くことができたことでこれ以上ないくらいほっとした。もしかしたらゴールにたどりついたときよりもほっとしていたかもしれない。
そんな最終エイドのご褒美は平椀という料理で、しいたけとたけのこを煮しめたものにくるみ豆腐を添えて甘い餡をかけてすりおろした生姜の薬味でいただくといった上品でいてどこか懐かしいかんじのする味のものだった。

https://www.instagram.com/p/BKfDEGGgAiA/



最終エイドにはいる手前、久しぶりの住宅街を進んでいくなか沿道には本当に多くの人がツールド東北の旗をふり応援にでてくれていた。最終エイドに限らずスタートしてからずっと、ところどころに応援してくれる人がいてそれが本当にどれだけはげみになったかわからない。天気もよくないのに、ずっと声をだして旗をふって、がんばってと声をかけてくれた石巻の方、本当にありがとう。またエイドごとに飲み物や食べ物を配ってくれていたボランティアスタッフの方、コースの坂道や曲がり角にたって案内してくれるスタッフの方の気づかいがあたたかくてありがたかった。


そんなことを考えながら最終エイドをぬけてゴールを目指す。最終エイドからはしばらく北上川沿いのまっすぐで平坦な道路をつっぱしっていくことになる。

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この道は右手に北上川、左手に田んぼが広がるとてもひろびろとしたきもちのよい道でこんな道なら毎日走りたいとおもったところで、ふと「なぜここがこんなに平坦でひろびろしているのか」ということにおもい至った。
こんなに自然あふれる場所なのに背の高い木が道路沿いに1本もない。たまにあっても先の方が不自然な折れ方をしている。道路沿いの堤防がどことなく新しい。なるほど、この道は東日本大震災後にできた道なのだろう。これまでに幾度か参加してきた人たちの話によると、毎年少しずつ街の様子も移り変わってきているそうだ。そういった地形や街の様子は車で走るだけではきっと気づけなかっただろう。

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そうして長かったような短かったような60kmを終えて、スタートした石巻専修大学に戻ってきた。ゴールしたあとは受付でゼッケン番号をつたえ完走証をもらう。雨でぐちゃぐちゃな道をすすんだぞという証のように、自転車も自分自身もこれ以上ないほどにドロドロだった。宿にかえって自転車を軽く水洗いしたら洗いきれておらず錆がういてしまったので次の日あわてて洗い直してもらった。走り終わったあとのメンテナンスもわすれずしておかねば。

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何も考えずに勢いで参加したイベントだったが周りの人にも、石巻の人にも色んな人たちに助けられて楽しめた。走りはじめる前は本当に不安もたくさんあったけれど、終わってみれば結果よし、だ。チームメイトから来年の参加は100kmだ170kmだといわれたけどそれは来年の自分に任そう。そんな次の自分への持ち物をメモしておく。



▼参加に必須のもの

  • 自転車本体
  • ヘルメット
  • グローブ
  • ヘッドライト
  • 後方反射板
  • 車両・健康チェックリスト(webからダウンロードして印刷)

▼装備したもの

  • ボトルケージ
  • ペットボトルキャップ
  • サドルバッグ
  • 防水スマホケース
  • サドルサポーター付きウェア
  • レインコート
  • 携帯空気入れ

▼予備でもったもの

  • タイヤチューブ
  • タイヤレバー(タイヤ交換用)
  • モバイルバッテリー
  • 塩飴(もっと食べられるものは持ってもよさそう)
  • 現金
  • クレジットカード
  • タオル
  • ティッシュ

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