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生もつ焼きを肩肘はらずに座敷で楽しめる新丸子「大喜利」へ

以前にちらりと地元である武蔵小杉についての話を書いたことがある。武蔵小杉はいまをときめく再開発地帯。都心近くに住む人ならふんわりと話を聞いたことがあるのではなかろうか。
そんな武蔵小杉の隣駅、といいつつ実は歩いて7分のところに新丸子という駅がある。
新丸子という町は小学校が2つ、中学校が1つ、昔ながらの文房具屋に八百屋に本屋に電器屋と、代々つがれる家に住み同じ学校に通うような家族と、そういった家族が営む個人商店があつまる地域だ。
多摩川をはさんでちょうど東京に面する神奈川の入口ではあるが、まぁ特に都会ということではない。ただただ、ゆるりとこじんまりとした町である。


さてそんな町に新しくお店ができた。庄やグループの「大喜利」という店だ。そこにはもともと普通の庄やがあって、よく地元の祭りの打ち上げなんかに使っていた。そんな庄やがなくなって何が出来るのかとおもえば庄やグループなのに見たこともない店名だ。
今回、以前から懇意にさせていただいている庄やグループの広報の方に偶然にもご招待いただきその店に食べにいくことになった。


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しかしまぁ何を隠そう新丸子は飲み屋がやたらめったら多い。
しかもチェーン店ではなく個人経営のお店ばかりで、そいでもって味がなかなか悪くない店ばかりなのだ。もう少し正しくいうと「味がなかなか悪くない店でないと生き残れない」のだ。
新丸子という町は決して都会ではないので人はあふれていない。むしろ限られる。
限られたのんべえたちの足を運ばせるには、当たり前だがある程度の満足感が求められるわけで、満足させられない店は見るからにもう人がいない。新丸子でおいしいものを食べたければ人がある程度はいっている店にいくんで間違いない。隠れた名店などなく、あるとすれば地元民がこぞって入る店こそまごうことなき名店だ。


大喜利は、新丸子駅改札を左、東口に出て線路沿いに少し歩いたすぐ先にある。
一見すると最近作られた感がまったくない、どこかノスタルジックな外観だ。


それは店内に入っても同様で、通された奥の座敷席はまるで田舎の親戚の家のような面持ちだった。これはうっかり寝てしまう人も多そうだ。

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なぜこんなに時代を感じさせるデザインになっているのか疑問だったが、聞いたところによると「三代目が継いでいる設定だから」ということらしい。
要するに、いまの店主の祖父にあたる人がこの店をつくり、父が継ぎ、そして孫の店主が継いだ状況という設定なわけだ。だので店内も3段階に店内の趣がかわっていて自分らの通された座敷席は今の店主・三代目が自宅までをも店として増築したということらしい。なるほど、親戚の家にきたような気分は間違いではなかったようだ。


店内の一種のテーマパークさもおもしろさの一つではあるが、問題は味、料理だ。ここをはずしては到底新丸子民に受け入れられるものではない。
料理をじっくり選ぶ前にまずは飲み物を注文。ビール好きな自分はサッポロ生ビールが並々1リットルはいった筋トレグラスで注文。いつものジョッキがかわいくみえる。

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中ジョッキをあっという間に飲み干してしまう自分にとっては、この筋トレグラスはちょうどよくみんなと1杯目が切り替わるタイミングで飲みきれた。ただそんなにビール党ではない人は、むりせずいつも通りのグラスがいいだろう。


メニューは瓦版のようなデザインになっていた。もってかえってもいいらしい。
とりあえず二大名物と書かれた「ミックス焼き」と「大喜利煮込み」と、気になるものをいくつか注文。


まず最初に運ばれてきたのは大喜利煮込み。これ絶対ご飯にあうやつだ。

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見るからに具沢山な煮込みかられんげでそっとすくいあげる。うまい。濃厚な味噌味のスープにホルモンのうまみがこれでもかととけこんでいる。
茶碗1杯分で量多いなぁなんておもっていたのにあっという間になくなってしまった。


そして次に運ばれてきたのはお待ちかね「ミックス焼き」。
ミックス焼きは日ごとに混ぜられているホルモンの種類がかわるらしい。この日ミックスされていたのは、たん、かしら、とんとろ、てっぽう、はつもと。

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このこんがりよく焼けたホルモンが、かんだ瞬間にサクッと、そして噛み締めるほどうまみがじわじわ押し寄せてくる。ああ。しあわせだ。
生のホルモンを絶妙な火加減で調理しているからこその味わい。三代目、なかなかやるな。


ミックス焼きに入っていない、のどぶえ、たんもと、しろ、バラ、しょうちょうも単品でいただく。

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それぞれどれがどれかと写真を見ても正直判別できないのだが、とりあえずおいしかったことだけは覚えている。
通常は塩焼きだが、リクエストするとみそ焼きにもしてくれるとのこと。こってりしたみそ味はビールがことさら進んでしまう。
塩味をサンチュとみそで巻いて食べるのもまたいい。


そして箸休めに、塩キャベツ、ガブリキューリにアスパラ焼き。

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なんでも元々のメニューでは野菜メニューが少なかったようなのだが、お客さんからの要望で提供を増やしているらしい。
そうやって希望を受け入れてもらえると、ついついもう一回いってみようとおもってしまうのは人間の性だろう。


さっぱり系をさらにもう1つ、ガツの酢の物を注文。

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このガツがコリコリと歯ごたえよく、食べやすく箸がどんどんすすんでしまって箸休めにあまりならない。人生は思い通りにはいかないものだ。


そこにあげもの、レバカツが登場。

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レバカツはなんやかんや店ごとに当たり外れが大きい。さてここではどんなものかなと食べてみる。あーー、うま。味濃い。うまい、苦みが全然ない。これのカツ丼だした方がいいのではないか、とその場で議題にあがるほどうまい。
ランチをはじめる際にはぜひ検討していただきたいものだ。


そして大好きなつくね。わすれてはならないつくね。
タレと黄身をよくからめてたべる。こんなおいしいお肉をだしてくれるお店のつくねがおいしくないなんてあるはずがなかった。

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しめにはどこか懐かしいデザートを注文。
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駅から徒歩30秒でつく立地のよさに、居心地のよさ。そしてほどよいお値段でこのおいしさ。
ご飯にまよったらとりあえずここに行こう。